はじめに:「働かない自由」より「自分の力を活かす自由」
FIREではなくFINE。
それは「完全に仕事を辞める」のではなく、
“働き方”を自分で選び、“関わり方”を自分で設計していく自由のこと。
早期退職から半年が経った頃、ようやく私はそのスタートラインに立てるようになった。
心の調子も戻り、生活も安定してきた今、考えるのはただ一つ。
「これまでの経験を、どう活かして社会とつながるか?」
FINEとは?──おさらいと、実践への移行
FINE=Financial Independence, New Engagement
= 経済的な不安に縛られず、新しい形で社会と関わる生き方。
- お金のために働かない
- でも、自分の価値は社会に還元したい
- 無理のない形で、関係性を再構築したい
今回の記事では、この**「New Engagement」= 新しい関わり方**にフォーカスし、
30年の会社員経験を「FINE的価値」に変えていくプロセスを紹介していく。
第1章:30年の会社員時代で得た「目に見えない資産」
私は、大学卒業後、30年間会社員を続けてきた。
エンジニアとしてキャリアをスタートし、やがてマネジメント、部門運営、リーダー育成とステージを上げていった。
その中で得たのは、給料や役職だけではない。
今思えば、社会にそのまま渡せる“人的資本”のかたまりだったと思う。
✅ 多様な人材と向き合ってきた
- 新人、ベテラン、現場リーダー、技術職、管理職、時には本社役員
- 年齢、性格、背景の異なる人と「どう関わるか」
- 「成果を出すチーム」をどう作るか
これは、座学では絶対に得られない“現場の知見”だ。
✅ 視座と視野の育て方を知っている
- 「目の前の業務」しか見られない若手に、どう俯瞰させるか
- 「自分だけの正解」にこだわる中堅に、どう他者視点を持たせるか
会社という“場”で、人の成長を見守り続けたからこそ、
「視野を広げる力」「考える力」の育て方を知っている。
✅ ロジカル・クリティカルに“考え抜く力”
- 複雑な問題の構造を解きほぐし
- 感情ではなく、論理で整理し
- 誰にでも伝わる言葉に落とし込む
これもまた、日々の「会議」「判断」「対話」で鍛えられたスキル。
第2章:FINE的関わり方の第一歩──“伝えること”から始める
FINEのNew Engagementは、「何か大きな事業を起こすこと」ではない。
最初の一歩は、「誰かに伝える」ことだ。
私が最初にやったのは、noteとブログを始めたこと。
✍️ 架空エピソード:「読者から届いた1通のメッセージ」
ある日、ブログにこんなメッセージが届いた。
「50代で早期退職を考えている者です。
記事を読んで、ようやく“逃げじゃない選択肢”があると気づけました。
うちの職場でも、心を病んでる人が増えていて…。
マネジメントについても、もっと知りたいです」
このとき初めて思った。
「伝えるだけでも、誰かの背中を押すことができるんだ」
第3章:「個人」として“価値”を還元していく働き方
会社という看板がない中で「誰かに教える」「助言する」なんて、おこがましいと思っていた。
でも、退職後半年たち、ようやく気づいた。
「自分が持っている“知見”は、もう十分に社会と共有していいものだった」
FINEの大切な視点はここにある。
🔹 「仕事=組織の中でするもの」から
🔸 「仕事=自分の強みを、自分のペースで発信・提供するもの」へ
第4章:FINEを実現するために必要な3つのマインドセット
✅ 1. 完璧じゃなくていい
会社では「完璧」を求められる。
でも、FINEでは「70点で出す」が正解。
- 少し間違えても、誰かが軌道修正してくれる
- 不完全でも、出すことで反応が返ってくる
- 経験を分かち合うことにこそ価値がある
✅ 2. “数”じゃなく“深さ”を大切に
FINEでは、フォロワー数も、収益も、PVも“副産物”。
それよりも、
- 「この1記事で救われた人がいた」
- 「このやり取りで相手が笑顔になった」
そういう“深いつながり”を重視する。
✅ 3. 社会とのつながりは、自分のペースでつくれる
会社を辞めた後の最大の不安は「孤独」。
でも、自分でブログを書き、Noteで発信し、
時にはX(旧Twitter)で気軽に対話する。
それだけでも、社会とのやわらかいつながりができてくる。
第5章:これからのFINE的展望──“個人×発信×共感”
今後、私は以下のような形でFINEを実践していこうと考えている。
項目 | 内容 |
---|---|
🖋 発信 | ブログ・Noteで思考や経験をシェア |
💬 関わり | キャリア・マネジメント相談(オンライン) |
🧩 貢献 | 若手・ミドル層の方向けリーダー育成コンテンツの提供 |
🌱 ペース | 週3日・午前だけ活動。無理はしない |
こういった小さな実践が、“次の時代の働き方”のモデルになればと思っている。
おわりに:あなたのFINEのはじまりは、すでにある
FINE=Financial Independence, New Engagement
それは、特別な人のための生き方ではない。
- 長年、誰かのために働いてきたあなた
- 組織の中で、何度も苦しんで、でも成長してきたあなた
- 「これから何をしようか」と考えているあなた
あなたの中には、すでに“FINEの種”がある。
それをどう育てるかは、自分次第。
あなたに伝えたいこと
FIREが「退職のゴール」を示すものなら、
FINEは「これからの人生のスタートライン」を示す言葉です。
会社を辞めても、自分の力は無くならない。
むしろ、そこからようやく“本当の自分の価値”に気づけるのだと思います。
※本記事は筆者の実体験に基づいたものであり、医療・投資・ライフプランニングなどの専門的アドバイスを目的としたものではありません。
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